ポケモンユナイト テイアの日常

のむらんど園長ののむです。

今回はエオス島からの激闘をお送りいたします。

 

 

──9/10日早朝
エオス島、テイア蒼空遺跡、ランクマッチ
戦いは唐突に始まる。

私はピカチュウ
味方:マリリ、ブラッキーミュウツーY、ピカチュウハピナス
敵方:ゾロアークリザードンミュウツーY、ピカチュウ、ヤドラン
味方のハピナスはクソ下手だが元気がいい、私の友人である。(要はデュオである)

世間からは「expert」(熟練者の意である)と呼ばれる我々ではあるが、まだ道半ばである。さらなる「道」を極めし者は、「master」つまり究極の存在と呼ばれているらしい。エオス島に生まれたならば、誰しもエオスエナジーの輝きに心奪われるものであろう。

 

10:00
さあ戦いの幕は切って落とされた。

私の持ち物の一つには学習装置がある。自らの成長の経験値を他者へ譲り、共に高みを目指すという高尚なものだ。
序盤の相棒はマリル、生まれた場所は違えども死する場所は同じ戦場(いくさば)。まさに一蓮托生。経験を分かつことに一抹の躊躇いすらない。
上レーン、ホルビーの捕縛が始まった。「expert」である我々にとっては日常の光景だ。死する弱者への情などスーパークラスに置いてきた。

フロントゴールを越えると同時に敵影を捕捉。我らバディの間には聞こえずとも開戦の喇叭が鳴り響いていた。
映る姿は2匹、ゾロアヤドン
先に仕掛けるのはゾロア。中立のヤジロンを狙う私に一瞥も寄こさずに我々のゴールを狙う。──間違いない。ヤツの持ち物は猛攻ダンベルだ。
だが不幸だったのは敵方である。ピカチュウは天下にその名を轟かせるレーン戦の支配者である。カビゴンフーパなどを連れてこなければ彼の右には近づくことすらできないであろう。
無事であるなどとはお世辞にも言えないであろう痛手を負った敵のゾロアにさらなる魔の手が忍び寄る。そう、ミュウツーである。

ミュウツーメガシンカするためには一定以上の回数の通常攻撃を敵に食らわせる必要がある。我らがミュウツーのメガストーンはY。Yは12回の攻撃が必要だ。
序盤の育ち切らぬ敵など格好の餌である。

しかしゾロアもそうやすやすと命はくれてやらない。化け狐ポケモンの名に恥じぬ変幻自在な身のこなしで敵フロントゴールまで逃げおおす。
一方ダンベルを成功させた相棒のマリルはレベル4を優に越しその姿を異としていた。
マリルリ。もはやヤドンに臆することはない。メガシンカを目前に控えたミュウツー、十分に成長しきったマリルリ、レーンの覇者ピカチュウ、それらを前にして立っていられるものなどエオス島のどこにいるであろうか。
彼らを待っているものは

""

中央レーナーが助けたのは上レーン。
一方を選べば、他方は選ばれない、避けがたい真理である。
私は敵のミュウツーと遭遇していない。
つまり
敵の中央が助けたのは下レーンである。
敵のギャンクのみがいるレーンが苦しいことなど自明である。

だが、下レーンの戦士たちはそれを良しとしなかった。
敵方はヒトカゲピカチュウミュウツー
味方はラッキーとエーフィ
3 VS 2
数の上では劣る戦況を五分としたのは、他でもない彼らの技術と不屈の精神である。
想像を絶する猛攻をしのぎ続ける彼らを運命の女神はまだ見捨ててなどいなかった。
ミュウツーである。敵ではない、味方のミュウツーである。
上レーンの敵を瞬く間に殲滅した彼は、油断しきった下レーンの懐に切り込んだ。
惜しくもKOとまではいかなかったものの、一仕事終えたミュウツーは涼しい顔をして自陣ジャングルへと引き上げていく。引き際の良さも優秀な戦士の条件であろう。

 

7:20
チルタリスの群れがどこからともなく姿を現す。
各レーンに1つだけ。
すなわち、苛烈な争奪瀬戦の幕開けである。

先手を打ったのはこちら方。敵の準備の整わぬうちに争いの種そのものを消してしまおうという算段である。
作戦は大成功だ。次々と捕獲されていくチルットを敵は眺めていることしかできない。
遅れを取った敵のピカチュウが飛び込んでくる。
袋の鼠とはまさにこのことである。
レベルで劣る敵が数でも圧倒される。
逐次的にやってくるミュウツーゾロアークを立て続けにKO。
敵フロントゴールにエオスエナジーを満載した味方がなだれ込む。
ゴールの崩壊一歩手前まで敵を追い詰める。
レベルは優勢、技量も上回る、万事好調、順風満帆である。
そこに慢心が生まれた。
1度目の戦いで疲弊した我々の体力はミュウツーとの2度目の戦闘を許してくれなかった。
復活し、体力の全快したミュウツーが我らに襲い掛かる。
勝者が足をすくわれるのはいつも慢心からだ。

 

勢いそのままに、敵はレジアイスをもその手中に収めた。
だが、後悔しても時計はその針を進めることをやめない。
泣いている時間ではない。
弔い合戦だ。
先ほど落とし損ねた下フロントゴールを再び狙う。
ミュウツーマリルリの2エースが、守る敵のゾロアークに攻撃を当て続ける。
距離を置こうと逃げる敵のピカチュウに食らいつくのは私、ピカチュウである。
逃げようともそこはすでにピカチュウの距離だ。
そのかみなりから逃れられぬことは、ピカチュウ自身が身体で理解していただろう。
2体の前衛を失った敵はここでゴールの放棄を選択。
遅すぎる決断であった。

 

突如一つの知らせが届く。

レジエレキが味方のゴールエリアに進撃中!

フロントゴールを陥れ、浮足立つ我らに電撃走る。
不覚を取った。
姿の見えぬリザードンに誰一人意識を向けていなかったのである。
それ幸いとレジエレキを手中に収めたリザードンは、40もの大量得点をその手にゴールへと猛進。
レジエレキの電撃により、完全に機能不全に陥ったフロントゴールはそのシュートを拒むことすらできない。
だが、リザードンは一匹。無防備な敵を許すはずもない。

反撃の狼煙が上がる。
レベルの有利がある我々にのみ許された秘儀がある。
ユナイト技だ。
ハピナスのユナイト技「ハピハピアシスト」を受けたミュウツーはすぐさま、フロントゴールを守る敵を殲滅。
ピカチュウ、エーフィの2つのユナイト技を温存した我々は大胆にもミドルゴールへの侵攻を決断。勝算は十分なはずだった。
だが味方エーフィは我々の下フロントゴールの防衛を選択。
正解はない。どちらも重要な役割である。

ユナイト技1つでのゴールダイブを敢行する我らは勇敢であった。
まずはピカチュウのユナイト技が敵を襲う。
リザードンゾロアークに壊滅的なダメージを与える。
しかし敵も指を咥えてみているだけではない。
リザードンはユナイト技を使い、ピカチュウを宙へと放る。
そして続けざまにミュウツーを狙う。
しかしすでにユナイト技の傷を負った蜥蜴など、ミュウツーの敵ではなかった。
ゴールを試みる味方だが、そこは敵陣真っただ中ミドルゴールである。
次々降って湧いてくる敵に難儀し、そこかしこから撤退の号令が響く。
勇敢さが成果に結び付かぬことの好例となってしまった。

 

ミニマップのカウントダウンが10を数える。
レジスチルの出現である。
敵は集まっていない。
依然レベルでリードする我らとの戦闘を避けるつもりだろう。
賢明な選択である。
たやすくレジスチルを捕獲した我々は続けてレジエレキの捕獲を試みる。

レジエレキの周囲にはいくつかの敵影があり、小規模な戦闘は起きたものの、圧倒的な戦力差に、敵は後ずさりしていく。
順調にレジエレキの体力を削る。
捕獲は目前。
何の問題もないはずだった。
そこに突如敵の攻撃を表す赤い円が表れる。
周囲に敵影は無い。
間違いない。ミュウツーの仕業だ。
奴のユナイト技は、どれだけ距離が離れていても、正確に敵を貫く。
理不尽を体現したような技である。
こうしてあっけなくレジエレキを奪われた我々は防衛に追われることとなる。

3:00
こんな時間にユナイト技を使える者はいない。
私を除いてである。
そう、私の持ち物にはエナジーアンプがある。
ただでさえ回転の良い私のユナイト技は道具により1分を切る速さで放つことが可能だ。
次々に敵に致命傷を与える。
こうしてミドルゴールの平穏は守られ、残すはヤツの降臨を待つのみである。

 

2:00
レジェンドピット
遺跡の守護者にして蒼空の覇者、神龍レックウザがその姿を現す。
レックウザを従えたものには大きな守護が与えられる。

にらみ合いが始まる。
過ちを犯した者から狩られる。
戦場の常である。
ブッシュに隠れる敵を探すのは、遠距離攻撃が可能な私の仕事だ。
10万ボルト、かみなりなどの長射程の技は、安全圏から一方的な索敵が可能だ。
案の定、一つの茂みに4匹の敵が見つかった。
散り散りになる敵をミュウツーの必中ユナイト技が襲う。
だが敵はこちらのミュウツーを見逃してはくれない。
ヤドランのユナイト技にミュウツーが拘束される。
すかさずハピナスが救いの手を差し伸べる。
懸命なユナイト技により生きながらえたミュウツーはメガミュウツーへと姿を変え、さらに暴れ続ける。
エーフィ、マリルリも奮闘する中、勝敗を決定づける雷槌が降り注ぐ。
ピカチュウのユナイト技だ。
敵を撃滅すればやることは一つである。
レックウザの討伐。
しかし、激戦を経て我らに残された戦力はマリルリピカチュウのみ。
削り切れるのか──
半分ほど削った頃、敵のゾロアークが復活した。
チームの意見は二分された。
撤退か、続行か。
試合は接戦。
確実な勝利にはレックウザの捕獲は避けられない。
私は続行を決断。神龍に雷を食らわせ続ける。
そうはさせじと決死の覚悟で飛び込むゾロアーク

 

勝ったのは我々だった。かみなりは神龍をも屠った。
だが安心はできない。
ゴールへと突き進む我らを敵が待ち構える。
私の周りにヤドランとミュウツーが襲う。
もはやこれまでか。
──いや、違う。
私は囮に過ぎない。
私の横を悠々と駆け抜けていくハピナス
その懐には燦燦と輝く50のエオスエナジー

決まった。200点をシュートし、勝利を確信。

だが気を抜きはしない。
慢心が敗戦に繋がると、5分前の我々が教えているからだ。
防衛、攻撃共に抜かりはなく、タイマーは0を刻んだ。

00:00
試合終了
496:356の接戦であった。
単なる勝敗以上の教訓を残した戦いだ。

 

 

ヒーローインタビュー

──放送席、放送席ヒーローインタビューです!
今日のヒーローは、82点ゴール、攻守に大活躍のピカチュウ選手に来ていただきました。ピカチュウ選手大活躍おめでとうございます!
ピカチュウ:ありがとうございます。

──久しぶりのランクマッチ緊張はありましたか?
ピカチュウ:まあ始めはね、尻尾も震えましたけど。身体が覚えてるっていうんですかね。スッと電気ショックを撃っていました。

──厳しい展開でしたが、しっかりと役割を持てていましたね。
ピカチュウ:まあお相手僕を見慣れてるでしょうし。仕掛ける場所が見つからなくて困りましたね。少しづつ、でした。

──フロント防衛の場面、素晴らしいユナイト技でしたね。
ピカチュウ:まあウルト切るならここしかないかなっていう。いっぱい当たってくれてよかったなって(笑)まあ味方も合わせてくれたんでね、結果最高のウルトになりました。

──レジェンドピットではブッシュ確認のベテランの技が光りましたね。振り返ってみていかがでしょう。
ピカチュウ:そうですね…まあ自分はメイジなので、それが仕事ですから。きっちり果たせてよかったです。

──やはりレックウザ戦でのユナイト技、あれが決め手になりましたね?
ピカチュウ:そうですね。ちょうど狙ったところに来たので、脱力して撃ち抜くことができました。電気袋も言うことを聞いてくれました(笑)

──最後にウィンターカップに向けて意気込みをお願いします!
ピカチュウ:まあいろんなメイジがいますけどね、自分らしさを出してしっかりやっていきたいです。頑張ります!!!

──今日のヒーローはピカチュウ選手でした!ありがとうございましたー!

 

 

 

 

 

 

 

 

次回はWCSの記事出します。